部門長からのメッセージ
醤油の原料は大豆と小麦と塩と水です。たったこれだけで、醤油は日本では1300年以上の永い年月造り続けられてきている超ロングセラー商品です。このような伝統的・保守的な調味料ではありますが、その中には、先進的なバイオテクノロジーが盛りだくさんに詰め込まれているのです。例えばパスツールがワインの低温殺菌法を発見するより前に、醤油は「火入れ」というパスツーリゼーションを確立していました。また、醤油を用いた漬物、煮物、佃煮等は常温保存食品として古くから作られています。更に魚の生臭みをマスキングしたり、煮たり焼いたりすることによる調理フレーバーの利用は、現代の食品にもしっかりと引き継がれている醤油調理の科学です。
醤油を造り出す主人公は麹菌、乳酸菌、酵母などの微生物です。ヤマサ醤油では、麹や諸味の中で、これらの微生物が持つ機能を十分に発揮してもらうための微生物学、化学及び工学的研究を実施しています。有用微生物の解析には遺伝子工学や最新の機器分析手法を用いて醤油製造に有効な新しい知見を得ています。伝統の技の中に最新の科学の光を当て新たな技術開発や商品作りが行われています。
ヤマサ醤油は、370年の伝統の中、1899年世界で最初に「醤油研究所」を設立しました。その研究体制は、醤油・食品関連はもとより核酸研究、生命化学、医薬・化成品開発に発展し、最新のバイオテクノロジー研究や醤油製造技術の改革研究に繋がっています。
“醤油” この魅力的な世界の調味料の研究と開発にあなたも参加しませんか。