事業領域

醤油・食品事業

江戸時代から続く品質への追及

1645年(正保2年)、江戸幕府が開かれ、江戸が大きく発展する時期、ヤマサは創業しました。場所は、千葉県銚子。銚子は夏涼しく、冬暖かいおだやかな気候と高い湿度で、しょうゆづくりに重要なこうじ菌が働くのに最適な環境です。ヤマサしょうゆが江戸で普及していくのと時を同じくして、寿司、天ぷら、蒲焼きなど日本を代表する料理が続々と誕生したのも決して偶然ではありません。創業から長きにわたり、いつの時代にも愛され続けてきたのは、品質への追求があったらからです。しょうゆの風味や品質の基本となるのが「麹菌」。ヤマサの麹菌は、江戸時代から大切に受け継ぎ育ててきた『ヤマサ菌』。ヤマサしょうゆが、日本料理店等で多く使われている理由は、この『ヤマサ菌』にしか出せない色・味・香り、風味の良さにあるからといえます。ヤマサのロゴの右肩にある「上」の印は、江戸時代の末期に、幕府から特に品質の優れたしょうゆと認められ「最上醤油」の称号を得たときの証です。「上」の字をつけ続けることで、いつの時代も品質の良い製品作りを忘れないように心がけているのです。

伝統を守りながら挑戦を続ける

ヤマサでは、伝統を生かしながら、時代の変化に対応した、新しい発想を取り入れ、様々な挑戦を続けています。1899年(明治32年)、日本国内初の醤油研究所を設立。これまで、カンと経験に頼っていたしょうゆ醸造を科学的に解明することにいち早く着手しました。1957年(昭和32年)には、酵母のリボ核酸(RNA)を分解して5′-イノシン酸を作る微生物酵素を発見しました。また、同じ酵素を使ってできる5′-グアニル酸が、椎茸のうま味成分であることもわかり、最終的には5′-イノシン酸と5′-グアニル酸の工業的生産に成功しました。これらのうま味成分は、昆布のうま味であるグルタミン酸ナトリウムと混ぜると驚異的にうま味が増幅するという「味の相乗効果」もあわせて発見するなど、数多くの研究成果を生み出しています。商品開発においては、業界に先駆けて原材料に有機栽培された大豆を採用した「有機丸大豆の吟選しょうゆ」や、昆布だしをメーンにした「昆布つゆ」、「昆布ぽん酢」、しょうゆの鮮度が保てる、画期的な容器を使った「鮮度の一滴」など、新たなジャンルの商品を開発し続けています。海外展開においては、1994年に、アメリカオレゴン州に醤油工場を建設。2015年には、オランダ、2016年にはタイに現地法人を設立し、世界中にしょうゆを出荷。日本の味を世界に広める大きな役割を果たしています。