事業領域

診断薬事業

体外診断用医薬品(体外診断薬)とは

診断薬事業で取り扱う体外診断用医薬品(体外診断薬)とは、人の血液や尿に含まれる病気と関連する物質を測定し、疾病の診断や治療効果の判定の補助情報を提供する医薬品を指します。
主に病院の検査室や検査受託会社で使用され、得られた測定結果をもとに医師が診断を行います。(体外診断薬は厚生労働省の承認を得てはじめて製造販売されます。)

バイオテクノロジー技術から診断薬

醤油の製造で培ってきたバイオテクノロジー技術を発展させ1961年の核酸系のうま味調味料の発売以来、1970年代に核酸関連化合物を医薬品原料や食品添加物として発売、さらに 1976年には研究用試薬cAMP RIA キットを発売するなど、自社技術の特徴・強みを異なる事業領域に生かし成長を続けてきました。最初の体外診断薬を発売したのは、1986年。サイクリックAMPキット「ヤマサ」とPTHキット「ヤマサ」の製造承認を取得し、本格的に体外診断薬の販売を開始しました。その後 1988年に診断薬部を設立、国内企業でも最も早い段階でモノクローナル抗体取得技術の確立に成功し、同抗体技術を体外診断薬製品の開発に活用、展開することにより数多くの体外診断薬を創出しました。
2000年からは海外の優れた体外診断薬の国内への導入・販売も開始し、より裾野の広い診断領域へと体外診断薬事業を拡大しています。

独自技術を応用したユニークな診断薬

ヤマサオリジナルの診断薬は、これまでに培われた独自技術を応用したユニークな診断薬が特徴です。例えば、バイオセンサTSAb「ヤマサ」。甲状腺刺激性自己抗体、通称TSAbは、バセドウ病の診断に用いられます。バイオセンサTSAb「ヤマサ」は細胞を使用するバイオアッセイ法を用いたユニークな体外診断薬で、2022年5月に発売されました。現在国内で唯一、TSAbキットの製造販売を行っています。
また、CL SP-D「ヤマサ」NXは、特発性間質性肺炎のバイオマーカーである、サーファクタントプロテイン-D(通称SP-D)の測定に用いられます。このSP-Dの測定は、ヤマサが世界に先駆けて独自開発しており、CL SP-D「ヤマサNX」は、磁性粒子を用いた化学発光酵素免疫測定法により、自動測定を可能としています。このように自動機に対応した測定系開発も、ヤマサは積極的に行っています。